築18年中古物件をホームシアターリノベ計画です。 工事開始となりました。既存のお家の場合は解体からとなります。写真はほぼ解体が終わったところです。既存家での防音工事の場合、必ず天井の解体を行います。お施主様から「天井は解体しないとダメですか?」と言われる事もありますが、防音工事をするのであれば解体しないとダメです。
天井内の構造が分かっていると遮音について有利な工事を選択できるという事もありますが、一番重要なのは天井の吊り方です。天井壁床の基本6面と開口部の遮音を行って防音工事と呼びますが、天井を防音する場合、かなり重量のある材料を使用します。その場合、天井の吊り方が弱いと遮音も効果的にできませんし、天井の歪み、タレ下がりの原因になります。また最悪の場合、天井の落下を招く可能性もあります。遮音をしない一般的な天井の場合、重量はさほどでありませんので落下する事はありませんが、そこに重量物を吊るというのは危険ですし、効果的な遮音は見込めないと考えています。
写真を見て頂きますとわかりますが、鉄骨のより下、一番近いところにある細い木材で天井を吊っていました。流石にこの木材をベースにする事は出来ませんので全て取り払って下地から組直しをします。下地組をしっかり行う事で音が良くなります。見えないところにノウハウやお金を掛ける事が大事なんですよ。
今回は防音壁を起こすと既存ドア枠に当たりますのでクローゼットも一部解体します。床は現状、床鳴りをする箇所をおさえて、フローリング上に木下地を組んでいきます。写真を見て頂けるとわかりますが、部屋内の壁の構造はこのように柱を12.5mmのボードで囲むだけなんですね。グラスウールなど吸音するものも入っていないのが普通です。これでは遮音を期待する事はできないですよね。防音工事の場合はこの既存壁はそのまま残してその内側に約85mmほどの防音壁を作ります。現状のお部屋より170mmほど狭くなりますが、それが遮音性能を出しています。
次回・・・